Interview

ドクターズインタビュー

副院長RYO Kimura

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ドクターズインタビュー

乳がんという病気は、いまや女性の9人に1人が生涯で経験すると言われています。
それでも、「まさか自分が」と思いながら、受診をためらっている方がまだたくさんいらっしゃいます。きむらクリニック小児科乳腺科では、「ちょっと不安」「気になるけど、どうしたらいいかわからない」そんな気持ちに寄り添えるクリニックを目指しています。今回のインタビューでは、木村 綾先生にこれまでの歩みや乳腺外科への想い、患者さまとの向き合い方についてお話を伺いました。

医師を志したきっかけ

医師を志したきっかけ

お医者様になられたきっかけは、お母様の姿ですか?

小さい頃から、母が小児科医として地域の子どもたちを診療する姿を見て育ちました。その姿が、医師を志す一番のきっかけになったと思います。当時はインターネット予約もなく、母のクリニックには開院前からシャッターの前に患者さまが並んでいたのを覚えています。私にとってはそれが当たり前の光景で、自然と「お医者さんになりたい」という思いを抱くようになりました。特別に医学だけに打ち込んでいたわけではありませんが、医師になるという目標のために、必要な努力を積み重ねてきました。

乳腺外科との出会いと外科時代の経験

乳腺外科との出会いと外科時代の経験

乳腺外科を選ばれた理由は何かありますか?

学生時代に外科系の分野が面白いと感じました。ただ、消化器外科などは緊急手術が多く、夜中に呼び出されることもあり、長く続けるのは難しいと感じたのです。その点、乳腺外科は緊急手術が少なく、女性の患者さまが女性医師を希望されるケースも多いため、自分のライフスタイルの中で長く続けやすいと考え、選びました。

女性医師として外科の世界で働かれるのは大変だったのではないですか?その経験は今にどう活きていますか?

かつて外科は完全に男社会で、女性医師は「紅一点」という環境でした。今でこそ乳腺外科には女性医師が増えてきていますが、当時は朝6時から夜中1時や2時まで働くのが当たり前の環境。今は働き方改革で環境も変わっていますが、当時は「負けないように」と戦うというより、男性社会の中で必死に共存しながらやってきた感覚です。

勤務されていたときはさまざまな症例を見てこられたのですか?

勤務医時代は若年層から高齢の方まで、幅広い患者さまを診てきました。乳がんは年齢層が広く、多様な症例を経験できたことは今の診療に大いに活かされています。

江坂でのクリニック開業について

江坂でのクリニック開業について

お母様はこの地で小児科をされていたのですか?

母は以前、豊津町の別の場所で小児科を開業していました。2017年に母である院長とともに開業する際、現在の場所に移転しました。

この辺りは人通りが多くなりましたね。患者層はどうですか?

この地域は若い方も多く、江坂や沿線に住まれる方が増えています。患者層も若い方が多いです。吹田市のクリニックで乳がん検診に携わっている女性医師はまだ少ないため、吹田市全域から患者さまが受診していただいています。

専門医による乳がん検診のメリット

専門医による乳がん検診のメリット

専門医のところで乳がん検診を受けるメリットは何ですか?

女性医師が対応することで安心感があるというのもひとつですが、やはり精度の高さが最大のメリットです。診断までしっかりと責任を持って行います。乳房は非常にデリケートな部位ですので、同じ女性として寄り添いながら診療できる点は、患者さまにとっても心強いのではないでしょうか。

乳がんの初期症状について

乳がんの初期症状について

痛みがあると乳がんかと不安になりますが、実際のところはどうですか?

痛み自体が乳がんである可能性は低いですが、別の部位に小さな乳がんが潜んでいることもあります。クリニックという身近な場所だからこそ、些細な痛みや張りでも気軽に相談していただければと思います。
痛みの多くはホルモンバランスの変化によるもので、生理痛に似たようなものです。ただし、しこりがあって無痛の場合は注意が必要です。

痛み以外で気をつけるべき症状はありますか?

乳頭から血液混じりの分泌液が出る場合は注意が必要です。必ずしもがんではなく、良性のポリープのことも多いのですが、がんだったとしても多くはステージ0〜1の早期の段階です。

乳がん検診の頻度

乳がん検診の頻度

検診はどのくらいの頻度で受けたらよいですか?

理想は2年に1回、特に40〜50代の方は1年に1回が望ましいです。協会けんぽや市町村の検診は2年に1回が多いですが、それでも十分に早期発見が可能です。乳がんが1センチになるには6〜8年かかるとも言われています。

「異常なし」とは
「体内にがんがない」という意味ではなく、検査で検出される所見がなかったという
ことです。

腫瘍マーカーなどの血液検査では分かりませんか?

腫瘍マーカーは進行したがんや再発の際に有効ですが、早期発見にはあまり役立ちません。画像検査を定期的に受けることが最も有効です。

乳がんの早期発見と治療成績

乳がんの早期発見と治療成績

早期発見されてオペすれば良くなるものですか?

ステージ1の乳がんは98%以上治ります。日本人女性は9人に1人が乳がんになると言われていますが、早期発見できれば98%治るので、定期的な検診が大切です。
家族や親戚、職場の女性を含めると、自分の周りに1人、2人いても全然おかしくありません。
最近は分子標的治療などさまざまな治療法が進歩しているので、進行している場合でも治ることがあります。

がんが見つかった場合のこだわり

がんが見つかった場合のこだわり

万が一がんが見つかり手術をしないといけない場合のこだわりについて

当院で乳がんが見つかった場合は、基本的に関連する病院に紹介します。病院そのものではなく、自分が対面で知っている信頼できる先生にご紹介するようにしています。
患者さまが特定の病院を希望される場合はそちらにご紹介しますが、自分から直接知らない先生には紹介しないようにしています。紹介先の先生も「木村先生のところから送られてきた患者さん」として連携をとりながらしっかり対応してくださることが多いです。

二次検診も受け入れていますか?

はい、受け入れています。協会けんぽなどの検診で「要精密検査」と言われて不安になる方も多いのですが、実際に精密検査をしたら良性のことも多いです。安心して帰っていただけることも多いので、お気軽にご相談ください。

検査の種類について

検査の種類について

検査はマンモグラフィーからのエコーですか?

40歳以上はマンモグラフィー検診が最も確立された方法です。エコー検診は乳がん検診学会ではまだ完全に確立されていませんが、任意で受ける分には有効です。
マンモグラフィーでも映りにくいものが1割程度あり、エコーがそれをカバーしてくれることがあります。市町村のマンモグラフィー検診を受けている方には、対象外の年にエコー検診を受けることもおすすめしています。

エコーだけでもいいのですか?

30代とかはエコーだけでもいいですが、見つけられない乳がんもあります。特に石灰化で見つかるような乳がんはエコーだけでは見つけにくいです。40歳を超えたらマンモグラフィーを軸にエコーをつけるのがいいでしょう。

女性医師だからこそできること

女性医師だからこそできること

女性医師の視点で、大切にしていることはありますか?

乳房はとてもデリケートな部分なので、触診や診察に抵抗がある方も多いです。同性の医師が対応することで、少しでも安心してもらえるなら、それはとても大きな意味があると思っています。

また、私自身も子育て中の母親なので、患者さまの生活背景や気持ちに寄り添える部分があると思います。自分が女性であること、母親であること、外科医であること、それぞれの立場を活かして診療にあたれるのは、この仕事のやりがいの一つです。

地域で果たしたい役割

地域で果たしたい役割

今後、この地域でどのような医療を届けたいと考えていますか?

「気になることがあったら、まず相談しよう」と思ってもらえる、そんな身近な存在でありたいです。大きな病院での受診はハードルが高いと感じる方でも、まずはここで話を聞いてもらおう、という気持ちで来ていただけたら嬉しいです。

実際に病気かどうかは関係なく、不安を取り除くことができるだけでも大きな意味があると思います。これからも、地域の女性たちが安心して健やかに過ごせるよう、乳腺専門医としての立場からサポートしていきたいです。

今後の展望について教えてください

クリニックの診療と大阪病院での外来診療を続けながら、日本乳がん学会の地域医療向上委員会にも参加しています。ピンクリボン活動は東京や京都では盛んですが、大阪ではまだあまり多くないので、そういった啓発活動も広げていきたいと考えています。福岡の友人は地元のプロ野球チームとコラボしてピンクリボン活動をしていますが、大阪でもそういった取り組みができればと思います。

患者さまへのメッセージ

患者さまへのメッセージ

このホームページをご覧の患者さまにメッセージをお願いします

乳腺外科というと、初めての方にとっては少しハードルが高く感じるかもしれません。しかし、当院は地域のクリニックとして、どなたでもお気軽にご来院いただける環境を整えています。
どうか構えすぎず、安心してお越しください。

症状がなくても、特に40歳以上の
方には定期的な検診をおすすめしています。

ほんの些細な症状でも、勇気を出して受診していただければ、大半は「何でもなかった」と安心してお帰りいただけることが多いです。

また、インターネット上には正確でない情報も多くありますので、そうした情報に振り回される前に、ぜひ専門医にご相談ください。当院では、乳がんに関する正しい知識や情報をお伝えするだけでなく、日々の健康管理に役立つアプリなどのご紹介もおこなっております。検診をきっかけに、日常的にご自身の健康と向き合う習慣を持っていただければと願っています。

乳がんは、早期に発見できれば98%以上の
方が治る病気です。

適切な治療を受けて社会復帰されている方も数多くいらっしゃいます。「乳がん=死」というイメージから、「乳がん=治る病気」へと意識は確実に変わってきています。

かつては、がんを患ったことを周囲に隠して治療をして復帰する時代もありました。しかし今は、SNSなどを通じて、芸能人をはじめ多くの方が治療の経過を発信してくださっています。乳がんを経験しながらも、日常生活を前向きに過ごしている姿を見ることで、不安がやわらぎ、治療への勇気にもつながるはずです。
「早期発見・早期治療」によって、乳がんと上手に付き合いながら、これまで通りの生活を送ることができます。

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