乳がん手術後のフォローアップとケア

乳がん治療後は、新たな日常生活を築いていくための継続的なケアとフォローアップが非常に重要です。吹田市のきむらクリニック乳腺科では、患者さまが安心して日常生活に戻れるよう、身体的・心理的・社会的側面を総合的にサポートしています。
身体的なケアとリハビリテーション
治療後、多くの患者さまが疲労や倦怠感、リンパ浮腫、ホルモン療法の副作用などの身体的な症状に悩まされます。当院では、疲労感の軽減に役立つ生活指導や漢方の処方などをおこなっています。リンパ浮腫に対しては、早期発見・早期治療を目指し、日常的な運動・生活指導を提供。乳房再建を希望される方には、提携医療機関と連携して最適な方法をご提案しています。
術後ホルモン療法と再発予防
ホルモン受容体陽性の乳がんに対しては、再発や転移を防ぐために、術後のホルモン療法(薬物療法)が行われます。一般に5〜10年の継続が必要であり、患者さまの年齢や閉経の有無によって使用する薬剤が異なります。
ホルモン療法の種類
抗エストロゲン剤
毎日内服する錠剤で、エストロゲンの作用をブロックし、がん細胞の増殖を抑えます。閉経前後の方に使用されます。
LH-RHアゴニスト製剤
閉経前の方に使用される注射製剤で、卵巣からのエストロゲン分泌を抑える作用があります。4週・12週・24週ごとの製剤があります。当院では、24週(6ヶ月)ごとの製剤となります。
アロマターゼ阻害剤
閉経後の方に使用され、体内でのエストロゲン生成を抑える錠剤です。長期使用で関節症状や骨密度低下が起こることがあり、必要に応じて骨粗しょう症予防の治療も行います。
副作用にもしっかりフォローします
副作用には、ほてりや更年期様症状、不眠、気分の落ち込みなどがあります。お薬の服用に不安がある場合は、遠慮なく医師や看護師にご相談ください。
心理的・精神的なサポート
乳がん治療を受けられた方の多くが、治療後も不安や精神的ストレスを抱えています。再発への不安、身体の変化に対する戸惑い、自尊心の低下など、心理的な問題への対応が求められます。
当院では、医師・看護師による精神的サポートを実施しています。
職場復帰と社会生活の支援
乳がん治療後は、職場復帰や社会生活の再構築が課題となります。復帰にあたっては、仕事の量や通勤時間などを考慮し、無理なく徐々に元の生活に戻ることが大切です。
当院では、職場復帰のタイミングや働き方についても具体的にアドバイスしています。必要に応じて、職場やご家族との調整を支援し、スムーズな社会復帰をサポートします。また、経済的な負担についても、公的支援や医療保険制度を活用できるよう助言いたします。
生活習慣の見直しとセルフケア
乳がん治療後の生活習慣は再発予防に大きく影響します。バランスのとれた食事、適度な運動、体重管理を推奨しています。また、健康食品や民間療法を検討する際は、必ず主治医にご相談ください。安全かつ適切なセルフケアの方法を指導しています。
定期検診とフォローアップ検査の頻度
乳がんの再発リスクは治療後5年以内が最も高く、この期間の定期的なフォローアップが重要です。
当院でおすすめしている定期検診のタイミング
| 術後5年まで |
問診と視触診を2~3カ月に1回 |
| 術後5~8年 |
問診と視触診を6ヶ月に1回 |
| 術後8年以降 |
問診と視触診を年に1回 |
※ホルモン剤を内服している間は、お薬の処方のタイミングで通院が必要になります。
マンモグラフィは年に一度の検査をおすすめしています。当院では不要な検査は避け、患者さまの精神的な負担を軽減することを第一に考えています。
性生活についてのご相談
乳がんの治療後も、性生活に特別な制限はありませんが、身体的な変化やホルモン療法の影響で困難を感じる場合があります。また、ホルモン療法など治療中は胎児に影響が出る場合はあるので、原則として避妊して、妊娠しないように気を付けましょう。妊娠を希望する場合は、必ず主治医とタイミングなどご相談下さい。当院では、こうしたお悩みについてもお聞きしサポートをおこなっています。
車の運転やスポーツ活動について
手術後は安静にしておく必要はなく、車の運転やスポーツ活動に制限はありません。身体の回復状態に合わせて徐々に活動範囲を広げて、あせらずもとの生活に戻していくことをおすすめします。傷口の痛みや体のバランスに注意しつつ、無理のない範囲で生活してください。
当院は、乳がん手術後のフォローアップも万全の体制を整えています
きむらクリニック乳腺科では、乳がん治療後も患者さまが安心して生活できるよう、医師・看護師が連携して長期的なケアをご提供しています。再発予防や心身のケア、日常生活の悩みまで幅広く対応いたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。
ピンクリボンアドバイザーによるサポート体制
「ピンクリボンアドバイザー認定試験」に合格しているスタッフもおり、専門的な知識をもとに、患者さまに寄り添ったきめ細やかな対応をおこなっています。
女性医師による診療
当院では、日本乳癌学会乳腺専門医の資格を持つ女性医師が診療を担当しています。乳がんの診断・治療に不安を抱える方にも、安心してご相談いただけます。
執筆者
きむらクリニック
副院長木村 綾
経歴
- 1998年私立川崎医科大学 卒業
私立川崎医科大学 乳腺甲状腺外科
市立吹田病院外科 非常勤
JCHO大阪病院(旧・大阪厚生年金病院)乳腺内分泌外科 医長
- 2017年きむらクリニック 小児科 乳腺科 開院・副院長就任
JCHO大阪病院・乳腺内分泌外科非常勤医師
資格・所属学会
- 日本外科学会外科認定医・外科専門医
- 日本乳癌学会乳腺専門医
- マンモグラフィ読影認定医AS評価
- 乳房超音波講習会A評価
- 日本病院総合診療医学会認定医
- 総合判定講習会 講習修了
- アンチエイジング医学の基礎と臨床 講習修了
- 緩和ケア(PEACEプロジェクト) 講習修了
- がん患者さんの性を支援するための研修会研修修了