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- 乳がんの原因
乳がんの基本
乳がんは、乳房の中にある乳腺の細胞が異常に増えてできるがんです。日本では女性の9人に1人が一生のうちに乳がんになると言われています。女性がかかるがんの中で最も多いのが乳がんです。
乳がんは30代後半から増え始め、40代後半と60代前半に特に多くなります。若い方でもなる可能性があるので、どの年齢の女性も注意が必要です。
早く見つけて治療すれば、90%以上の方が5年後も元気に過ごせます。
ただし、治療後何年も経ってから再発することもあるため、定期的に検診を受け続けることが大切です。
乳がんの原因について
乳がんができる直接の原因は完全にはわかっていませんが、女性ホルモン(エストロゲン)が関係していることがわかっています。
乳がん細胞には主に2つのタイプがあります
女性ホルモンで増えるタイプ
このタイプのがん細胞は、女性ホルモンを受け取る「受容体」を持っています。ホルモンが受容体にくっつくと「増えなさい」という命令が伝わり、がん細胞が増えていきます。
HER2というタンパク質で増えるタイプ
このタイプのがん細胞は、HER2というタンパク質をたくさん持っています。このタンパク質からの指令でがん細胞が増えます。このタイプには、HER2の働きを止める特別な薬が効きます。
乳がんになりやすい人
このような方は乳がんになる可能性が少し高くなります
- 初めての生理が早かった方、閉経が遅い方(女性ホルモンの影響を長く受ける)
- 出産経験がない方、初めての出産が遅かった方、授乳をあまりしなかった方
- 閉経後に太った方、お酒をよく飲む方、運動があまり好きでない方
- お母さんや姉妹が乳がんになった方
- 以前に良性の乳腺の病気があった方
- ピルを長く使った方、閉経後にホルモン補充療法を受けた方
ただし、家族に乳がん患者がいなくても誰でもなる可能性があります。遺伝が原因の乳がんは全体の5〜10%程度です。
乳がんが増えている7つの理由
高齢の方が増えている
年齢が上がるほど乳がんのリスクも高まります
生活習慣の変化
- 肥満の方が増えている(特に閉経後の肥満は体脂肪から女性ホルモンが作られる)
- 運動不足の方が増えている
- 脂肪の多い食事や加工食品、お酒を多く摂る方が増えている
出産の変化
初めての出産年齢が上がり、子どもの数も減っています
ホルモン治療の普及
更年期症状を和らげるホルモン治療や避妊薬の使用も関係しています
環境の変化
環境ホルモンなどの化学物質の影響もあるかもしれません
検査技術の向上
マンモグラフィなどの検査が普及して、早期の乳がんが見つかりやすくなりました
遺伝子検査の進歩
乳がんになりやすい遺伝子を持つ方が見つかる機会が増えています
乳がんの治療法
乳がんの治療は、がんの性質や広がり、患者さまのご希望に合わせて決めていきます。
手術
がんを取り除く基本的な治療です。乳房の一部だけを取る方法(温存手術)と、乳房全体を取る方法(全摘手術)があります。必要に応じてわきの下のリンパ節も調べます。
薬による治療
| ホルモン治療 | 女性ホルモンの働きを抑える薬(ホルモン受容体陽性乳がんに効果的) |
|---|---|
| 抗がん剤 | がん細胞の増殖を抑える薬 |
| 分子標的薬 | がん細胞の特定の部分を狙い撃ちする薬(HER2陽性乳がんに効果的) |
放射線治療
乳房の一部を残す手術の後などに、残ったがん細胞を消すために放射線を当てます。
乳房再建
乳房を取った後、希望される方には乳房を作り直す手術もあります。
当院では、手術が必要な場合は信頼できる専門医がいる病院をご紹介します
手術や抗がん剤治療、放射線治療は紹介先の病院で受けていただき、その後のホルモン治療などのお薬による治療は当院で継続することもできます。
提携医療機関
乳がん予防と早期発見の重要性
乳がんの罹患率が増加傾向にある中で最も大切なことは、
早リスクを正しく理解し、早期発見に努めることです。
定期的な自己検診と乳がん検診(マンモグラフィーや超音波検査)の受診を強くおすすめします。また、ライフスタイルを見直し、適切な運動、バランスの取れた食事、飲酒の制限を心がけることも予防に効果的です。
乳がんは早期発見・早期治療が大切です
乳がん予防のためには、リスク要因について知識を広め、生活習慣を見直すことが大切です。また、乳がんの増加を抑えるためには、個人の努力だけでなく、社会全体での予防・治療体制づくりが必要だと考えます。吹田市・江坂駅にあるきむらクリニック 小児科 乳腺科では、乳がんの予防から診断、治療まで日本乳癌学会乳腺専門医である女性医師が総合的にサポートしています。乳がんの不安のある方や検診を希望される方は、お気軽にご相談ください。
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